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クリス・リード杯でリンクサイドに設けられた「キス・アンド・クライ」。クリスさんの衣服を着用したマネキンが添えられた=実行委員会提供
クリス・リード杯でリンクサイドに設けられた「キス・アンド・クライ」。クリスさんの衣服を着用したマネキンが添えられた=実行委員会提供

 きょうから10月。朝晩、秋の色が濃くなってきたことを肌で感じます。担当するフィギュアスケートは各地区大会が始まり、一気に競技が本格化しました。今回は、そうした熱戦の裏で開催された一つの大会にまつわる話をお届けしたいと思います。【東京運動部・倉沢仁志】

 9月23日、軽井沢風越(かざこし)公園アイスアリーナ(長野県軽井沢町)のリンクサイドに1体のマネキンが置かれた。少し古びた帽子をかぶり、使い込まれたトレーニングウエアや日の丸の入ったダウンジャケットをまとっている。2020年3月、心臓突然死のため30歳の若さでこの世を去ったクリス・リードさんのものだ。

 父が米国人、母が日本人のクリスさんは、姉キャシー・リードさん(35)とともにアイスダンス選手として10年バンクーバー、14年ソチの冬季オリンピックに出場した。15年にキャシーさんが現役引退後は、村元哉中(かな)選手(29)を新たなパートナーとして18年平昌冬季五輪の舞台にも立った。日本代表として3大会連続で五輪出場を果たしたのは、同種目でクリスさんしかいない。

 キャシーさんによれば、クリスさんはアイスダンスの普及を願っていた。競技者としても、さらには引退後の指導にも意欲的だったという。「クリスはすごいアイデアマンだった。いろいろと、アイスダンスについて勉強しましたね」とキャシーさんは回想する。

 日本は男女シングルでの活躍で強豪国のイメージが強いが、ペア種目を含めて国内のカップル種目を取り巻く競技環境は決して良いとは言えない。シングルは秋になると東京や中部といった各地区大会が実施される一方で、カップル種目は全国規模になるまで大会はない。背景には…

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