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コロナ特例貸し付け1.4兆円の行方 欠けた生活支援、回収は可能か

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受話器を取る文京区社会福祉協議会の職員=東京都文京区の同社協で2022年7月7日午前11時13分、中川友希撮影
受話器を取る文京区社会福祉協議会の職員=東京都文京区の同社協で2022年7月7日午前11時13分、中川友希撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大で収入が減った人に国が無利子で生活資金を貸す「特例貸し付け」の申請が、9月末で終了する。貸付総額は1兆4000億円を超え、リーマン・ショック時の約20倍に上る。2年半あまり続いた貸し付けに助けられた人も多いが、大切なのは今後の生活再建につながるかだ。来年1月から返済は始まるが、困窮者への支援や貸付金の回収はどうなるのか。【中川友希】

期限10回延長、総額リーマンの20倍

 「新たな制度を作るよりも、既存の制度を活用することでスピーディーに対応できた」。9月末で終了する特例貸し付けについて厚生労働省幹部はこう評価する。コロナの流行前、生活困窮者支援には「生活福祉資金」という制度が充てられていた。低所得世帯が対象だったが、コロナの感染拡大で特例を設け、コロナの影響で収入が減った世帯にも広げた。

 特例貸し付けでは、一時的な生活維持に使える「緊急小口資金」は最大10万円から同20万円に、日常生活に充てられる「総合支援資金」は2人世帯の場合、最大60万円(月20万円を最長3カ月)から同180万円まで引き上げられた。

 緊急時でもあったため、収入減の証明は自己申告書類で確認することを認め、特例貸し付け以前は必要だった返済の見込みも厳格に求めない。貸し付け実務を担った社会福祉協議会(社協)の関係者は初動対応について「厚労省の通知一本で素早く対応できた」と振り返る。

 2020年3月開始から今年9月24日時点で貸付総額は約1兆4242億円に膨れ上がった。貸付決定件数は約334万件(緊急小口資金約161万件、総合支援資金約173万件)に上る。世界的金融危機のリーマン・ショックの3年間(09~11年度)で、両資金の貸付総額は約707億円。リーマン・ショックは製造業中心に影響が出たため単純比較はできないが、今回はその約20倍だ。

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