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「切り札」か「絵に描いた餅」か 洋上風力の普及加速は波高し?

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2022年末にも国内初の商業運転を開始する秋田県の秋田港に並ぶ洋上風車=秋田市で2022年9月26日午前11時42分、猪森万里夏撮影
2022年末にも国内初の商業運転を開始する秋田県の秋田港に並ぶ洋上風車=秋田市で2022年9月26日午前11時42分、猪森万里夏撮影

 爆発的な普及につながるのだろうか。政府が6日、洋上風力発電の設置海域を拡大する検討に着手した。現状の「領海内」から「排他的経済水域(EEZ)」に広げるという。再生可能エネルギーの導入が一段と加速することへの関係者の期待は強いが、洋上風力の拡大には日本ならではの課題も指摘される。【猪森万里夏】

 秋田市沿岸部にある高さ約150メートルの展望台。記者のお気に入りのスポットからは、海上にそびえる13基の風車が一望できる。これが将来、はるか沖合にまでズラリと並ぶことになるのだろうか。

 日本風力発電協会(東京都)によると、国内の洋上風力の導入量は2021年末時点の累積で26基、5万1600キロワット。22年末には秋田県の秋田港と能代港で、国内初の大型商用洋上風力(計33基、13万8600キロワット)が運転開始を予定する。冒頭に紹介した風車はこの一部だ。

 政府は、洋上風力を50年の温室効果ガス排出量実質ゼロに向けた「切り札」と位置づける。30年までに1000万キロワット(原発10基分)、40年までに3000万~4500万キロワット(同30~45基分)の導入を目標に掲げている。

 なぜ「切り札」なの…

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【気候変動】

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