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インフル・コロナ同時流行は「可能性十分」 感染研センター長

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インタビューに答える鈴木基・国立感染症研究所感染症疫学センター長=東京都新宿区で2020年6月8日、大西岳彦撮影
インタビューに答える鈴木基・国立感染症研究所感染症疫学センター長=東京都新宿区で2020年6月8日、大西岳彦撮影

 この冬、季節性インフルエンザが3年ぶりに流行する――。新型コロナウイルスも含めた同時流行になると多くの専門家は予測しているが、どうしてそう言えるのだろうか? 国立感染症研究所の鈴木基・感染症疫学センター長に聞いた。【聞き手・原田啓之】

獲得免疫の弱まる速さ読めない

 ――まず今後、新型コロナが流行する可能性をどう見ていますか。毎年冬に感染の波がありました。

 ◆この秋冬の新型コロナの流行規模は、主に三つのことで決まります。どのような変異株が流行するか▽獲得した免疫がどのくらいの速さで弱くなるか▽人の動き――です。ただ、新型コロナ流行は、本当に予測が難しいです。

 まず、どの変異ウイルスが流行するか読めません。現在流行しているオミクロン株の系統(派生型)であれば、既に獲得した免疫が一定程度効いて、そこまで大規模な流行にならないかもしれません。一方、去年突然オミクロン株が出てきて国際的に流行したように、いきなり全く新しい変異ウイルスが出てくる可能性は否定できません。

 免疫については、人口の一定数が自然感染かワクチンによって免疫を獲得しました。しかし、どれぐらいの速さで免疫が弱くなっていくのかは読めません。

 人の動きについて、海外からの入国者が増え、国内の人の活動も戻ってきます。ただし、世界でいち早く行動制限を緩和した英国で、人と人との接触が2019年以前のレベルに戻っていないというデータがあります。

 つまり、人と人との接触頻度が下がる新しい生活を過ごしていると考えられます。感染に対してより慎重な日本でも、以前とまったく同じ生活には戻らないだろうと推測されます。

インフル、豪州で6月に流行

 ――季節性インフルエンザの流行はどのように予測しますか。この2年間はほとんど流行しませんでした。

 ◆19年以前は、世界的に季節性インフルエンザウイルスの循環がありました。日本の夏になれば南半球の温帯地域に、日本の冬になると北半球の温帯地域にウイルスが広がっていました。この2年間流行しなかったのは、新型コロナ対策で国際的な人の動きが強く抑えられて循環が弱くなったためだと考えられます。

 ただ、今年は、南半球ではインフルエンザの流行が戻っています。豪州…

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