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米中間選挙2022

米大統領選の中間の年に連邦議会の上下両院、州知事などの選挙が一斉に実施される中間選挙が11月8日に投開票されます。

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民主の巻き返し、共和の誤算 接戦の米中間選挙を読むポイント

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会議に出席したバイデン米大統領=ホワイトハウスで2022年10月4日、ロイター
会議に出席したバイデン米大統領=ホワイトハウスで2022年10月4日、ロイター

 1カ月後に迫った米中間選挙(11月8日投開票)は、民主、共和両党の接戦が続いている。バイデン大統領(民主党)の支持率が低迷する中、共和党が連邦議会上下両院とも多数派を奪還する好機だとみられていたが、6月の人工妊娠中絶を巡る最高裁判決が流れを変えた。ただ、高水準の物価高(インフレ)や株価下落など、民主党にも懸念材料はあり、情勢は流動的だ。【ワシントン秋山信一】

注目はジョージア、ネバダ

 ■上院(定数100、改選数35)

 上院は現在、民主系と共和党が50議席ずつを分け合っており、上院議長を兼ねるハリス副大統領の決裁票で民主側がかろうじて優勢を保ってきた。今回の改選数は民主14、共和21で、相手の議席を奪うことが多数派を取る最低条件となる。

 州全体で1議席を争う上院選では、州の政治風土によって有利不利がはっきりしている選挙区が多い。選挙分析機関「クック・ポリティカル・リポート」(数字はいずれも5日時点)は、12議席は民主党優勢、19議席は共和党優勢だと評価し、南部ジョージア州、西部ネバダ州、中西部ウィスコンシン州、東部ペンシルベニア州の4議席の行方が勝敗を分けると予測。選挙サイト「ファイブサーティーエイト(538)」も、両党は互角で、接戦のジョージア、ネバダ両州が勝敗を左右するとみている。

 上院には政権幹部や連邦裁判所判事の人事承認権がある。中間選挙後に連邦最高裁(定員9人)で欠員が出た場合などを見据え、バイデン政権は最低でも上院での優勢は維持したい考えだ。しかし、10月に入ってバイデン氏の支持率の回復ぶりが鈍るなど、楽観できない状況だ。

 共和党の誤算は、…

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