OPECプラス、11月から大幅減産 米欧、インフレ再加速に危機感
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石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国でつくるOPECプラスは5日の閣僚級会合で、11月以降の原油生産ペースを日量200万バレル減らすことを決めた。世界の1日の供給量の2%に相当する規模で、2020年以来の大規模減産となる。世界経済の後退懸念を背景に低迷する原油価格を回復させる狙いがあるが、原油高はウクライナに侵攻するロシアの増収に直結するだけに、米欧はこの決定に反発している。
「われわれは世界経済に安定をもたらす穏健な勢力であり続ける」。サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は会合後の記者会見でこう述べ、持続可能な原油市場を形成していくことが減産の目的だと強調した。OPECと非加盟国で作るOPECプラスの枠組みは12月末を期限にしていたが、今回の会合では23年末まで延長することも決定した。これまで月1回開いていた閣僚級会合を今後は年2回とし、次回会合は12月4日に開く。
決定によると、11月以降の生産ペースは現行計画の日量4385万バレルから4185万バレルに減らす。日量200万バレルの減産幅は、新型コロナウイルス禍の需要減に対応するため20年4月会合で決定した約1000万バレル(18年秋比)以来の規模。OPECのアルガイス事務局長は「(エネルギー市場の)安全と安定が確保された」と述べた。
国別では、最大の生産量が割り当てられているサウジとロシアの生産量をそれぞれ日量約1100万バレルから約1047万バレルに約53万バレル減少させる。
ロシアは欧米による経済制裁で自国産原油の価格、輸出量とも低下している。主要7カ国(G7)が9月に合意した露産石油の取引価格への上限設定が実施されれば、さらに価格は低下する。原油はロシア政府の主要な収入源となっており、価格低下はウクライナに侵攻するロシア軍の戦費削減につながってきた。
今回の大幅減産は、…
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