こむら返り、こんな時になりやすい 予防のポイントは「血行」

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こむら返りになったら…
こむら返りになったら…

 安眠中に襲われるふくらはぎの激しい痛みに、「どうにかしたい」と思う人は多いのではないか。こむら返りは9割の人が経験すると言われ、年齢とともに発生頻度は増える。原因ははっきり分かっていないが、予防する手立てや対処法はある。

Q.治まったかと思うと再び

 寝入りばなや熟睡中に足がよくつり、困っています。痛みが少し治まったかと思うと、また襲ってきます。原因や対処法、ならないための心がけを教えてほしいです。(鹿児島市、70歳、女性)

A.寒い季節に注意

答える人 石井一弘・筑波大准教授(神経内科)

 足がつることは「こむら返り」と言い、ふくらはぎなどの筋肉が収縮してけいれんを起こした状態です。「こむら」はふくらはぎのことです。痛みを伴い、医学的には有痛性筋けいれんと呼ばれます。ふくらはぎだけでなく、全身どこにでも起こります。

 こむら返りは一般の人の9割ぐらいが経験します。年齢とともに発生頻度が増加し、夜間に起こることが多く、頻繁に起こると睡眠障害の原因にもなります。数十秒から数分で治まりますが、痛みが残ることもあります。

 なぜ起こるのかはよく分かっていませんが、脳からの指令で筋肉を動かす運動神経の興奮が一時的に高まってしまうことが原因と言われています。血液循環が悪くなることも影響していると考えられます。

 妊婦さんや高齢の人に起こりやすいですが、若い人でも登山やマラソン、水泳など激しい運動で筋肉が疲労して起こることがあります。夏場などに脱水状態になると症状が出やすく、これからの季節は寒くなって血液循環が悪くなると注意が必要です。

 筋肉が収縮する状態になるため、筋肉を伸ばすとけいれんや痛みが治まります。予防法としては、運動不足の人は日ごろから散歩やストレッチをしたり、軽くマッサージをしたりして血行を促します。ストレッチはアキレスけんから脚の後ろ側を伸ばすようにするとよいでしょう。

 肝障害や腎臓障害などの持病がある人にも起こりやすいです。また、内服している薬によっても生じることがあり、注意が必要です。たとえば血圧を下げる薬や利尿薬、脂質異常症の薬、ホルモン…

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