- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

米軍の空母艦載機部隊が硫黄島(東京都)で実施している陸上離着陸訓練(FCLP)の移転などを目的に、防衛省が鹿児島県西之表市の無人島・馬毛島(まげしま)に自衛隊基地を建設しようとしている計画を巡り、地元市長が基地建設への賛否を明確にしないまま国との手続きを進めている。同市では賛否が拮抗(きっこう)し、市長は2021年の市長選で計画反対を訴えた経緯もある。市民からは困惑の声が上がるが、背景には国の「アメとムチ」や、反対しても国を止められない現実がある。
「現時点で(計画への)同意、不同意が言える状況にはない」。9月2日に開会した市議会9月定例会の初日、八板俊輔市長(69)は自身の意思表明を保留した。計画反対を訴えていた八板市長は今年に入って国との協議に応じるなど態度を軟化。自ら「9月議会で一定の考えを示す」と述べていただけに、議場にいた賛成派の市民や議員から戸惑いの声が上がった。
一方で市長は続けた。「(国から)市に求められる行政手続きがあれば、適切に対応する」。賛成も反対もしないが計画には協力するとも受け取れる発言に、…
この記事は有料記事です。
残り973文字(全文1439文字)