日野自動車、信頼回復は「悪路」 社長続投、新味欠く再発防止策

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試験データの改ざん問題を受け、一礼して記者会見場に入る日野自動車の小木曽聡社長(左)=東京都千代田区で2022年10月7日午後7時31分、宮武祐希撮影
試験データの改ざん問題を受け、一礼して記者会見場に入る日野自動車の小木曽聡社長(左)=東京都千代田区で2022年10月7日午後7時31分、宮武祐希撮影

 日野自動車は7日、エンジン試験のデータ不正問題で役員4人が辞任するなど経営陣の処分を発表した。歴代幹部の責任も明確化したが、小木曽聡社長は続投し、再発防止策の内容も新味に欠ける。20年に及ぶ不正で地に落ちた日野ブランド。信頼回復や再発防止に向けた道のりは険しい。

 「ステークホルダー(利害関係者)への迷惑を早く小さくするため、陣頭指揮を執っていく」。この日の夜、東京都内で記者会見した小木曽社長は当面続ける姿勢を強調した。

 3月に発覚した日野自の不正を巡っては、外部有識者らによる特別調査委員会が8月2日に報告書を公表。日野自はその3カ月以内をめどに人事処分を公表するつもりだった。しかし、その半月後、国土交通省の指摘で新たな不正が発覚。9月9日に同省から是正命令を受け、ほぼすべての国内出荷がストップした。事態を重く見て前倒しで発表に踏み切り、2003年以降の歴代役員らに報酬の一部の自主返納を求めた。

 しかし、小木曽氏については月額報酬50%を6カ月間減額する内容にとどめた。不正があったとされるのは03~19年で、21年に社長に就任して日が浅いといった事情を考慮したようだ。小木曽氏は日野自を傘下に収めるトヨタ自動車の出身。乗用車が中心の同社は、トラックやバスなど商用車が中心の日野自とは経営ノウハウが大きく異なるため、小木曽氏も日野自の自主性を重んじてきた。

 トヨタも「小木曽氏が辞めれば解決する問題ではない」(同社関係者)と身内を擁護する声が多い。7日に発表したコメントでも「ステークホルダーの信頼に足る企業として生まれ変わるべく、日野自身が時間をかけて、粘り強く継続的に取り組んでいく必要がある」と自浄努力を求めた。

 日野自の社長はトヨタの子会社になった01年以降、1人を除いてトヨタ出身者が務めてきた。1…

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