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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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離散・モルドバ報告

ウクライナを追われた少数民族ロマ 70歳女性の深いため息

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ウクライナから避難してきたリディア・カリシェンコさん(左)。知り合いがいない中、身体障害のある孫のアリーナさん(中央)、視覚障害のある娘のズフラさん(右奥)の世話をしている=モルドバの首都キシナウで2022年6月24日、山田尚弘撮影
ウクライナから避難してきたリディア・カリシェンコさん(左)。知り合いがいない中、身体障害のある孫のアリーナさん(中央)、視覚障害のある娘のズフラさん(右奥)の世話をしている=モルドバの首都キシナウで2022年6月24日、山田尚弘撮影

 長年、差別や迫害の対象となり、貧困などの課題が指摘される少数民族ロマ。ロシアによる侵攻で、ウクライナのロマの人々はさらなる苦難を強いられている。隣国モルドバに避難したある家族を取材すると、ロマが抱えてきた課題が生活苦に拍車をかけていた。

身分証なく支援受け取れず

 モルドバの首都キシナウに娘と孫2人の家族4人で逃げてきたリディア・カリシェンコさん(70)。避難施設の薄暗い廊下で孫のアリーナさん(15)の車椅子を押しながら「ここに来てから大変なことばかり。この子も部屋にこもりきりでかわいそう」と嘆く。

 アリーナさんは脳性まひで下半身が不自由だ。シャワーを浴びる時など車椅子が使えない場所では、もう一人の孫のオルガさん(19)と2人がかりで介助にあたる。施設には段差や階段もある。娘のズフラさん(48)には視覚障害があり、日常生活でリディアさんらの助けが必要だ。

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【ウクライナ侵攻】

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