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「東高西低」に異変 関西大学リーグに大型新人が多い二つの理由

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突進する同大の1年生司令塔、大島泰真(中央)=東大阪市花園ラグビー場で2022年9月18日、山田尚弘撮影
突進する同大の1年生司令塔、大島泰真(中央)=東大阪市花園ラグビー場で2022年9月18日、山田尚弘撮影

 各チームの陣容を見て、「異変」に気づいた人は多いだろう。9月に開幕した関西大学ラグビーAリーグ(1部)で1年生が続々とメンバーに名を連ね、躍動している。

 大型ルーキーたちがなぜ、これほど関西に集った、いや、残ったのか――。選手、指導者たちに聞くと、二つの事象が見えてきた。

花園のスター集結

 大学生になったスター候補たちが、高校生ラガーの聖地・東大阪市花園ラグビー場を再び、沸かせた。

 開幕戦の立命館大学―同志社大学戦は、ともに2人の1年生が先発出場した。先制トライを挙げたのは立命館大の1年生WTB御池蓮二選手(東海大大阪仰星)だ。左大外でパスを受けると、自慢のスピードを生かしてインゴールに飛び込んだ。

 昨年度の全国高校大会で仰星の6回目の優勝に貢献。昨夏の全国高校7人制大会では最優秀選手に輝いたトライゲッターは「実戦経験がない中で不安要素もあったが、日々、積み重ねてやってきたのでいいトライになったと思う」と喜んだ。

 立命館大は先発の御池選手とNO8島正輝選手(大分舞鶴)を含む1年生6人が試合の登録メンバーに名を連ねた。若い力はライバルの同大に9年ぶりに勝利する活力になった。

 一方、同大のアタックをリードしたSO大島泰真選手(京都成章)も黄金ルーキー。スペースを見極める能力に秀でる司令塔は高校2年時に花園準優勝を経験し、3年時は主将として8強入りに導いた、この世代の注目選手だ。FWの要、NO8では突破力ある林慶音選手(大阪桐蔭)がレギュラーを奪取した。

 昨季23年ぶりに優勝した京都産業大学には怪物ルーキーがいる。身長184センチ、体重115キロの体格ながら快足を誇り、プロップまでこなす万能WTBシオネ・ポルテレ選手(東京・目黒学院)がすでに中軸を担う。

 関西学院大学はWTB中俊一朗選手(東海大大阪仰星)とFB武藤航生選手(兵庫・関西学院高)の高校代表候補コンビが最後尾を支える。武藤選手は第2節の近畿大学戦で2トライを挙げてチーム2年ぶりの勝利に貢献、ゲームの最優秀選手に選ばれた。

地元志向強めた…

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