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バス置き去り死は安全装置で防げるか 使い方を誤った失敗例も

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女児が置き去りにされた認定こども園「川崎幼稚園」の白い送迎バス(左)=静岡県牧之原市静波で2022年9月14日、丘絢太撮影
女児が置き去りにされた認定こども園「川崎幼稚園」の白い送迎バス(左)=静岡県牧之原市静波で2022年9月14日、丘絢太撮影

 静岡県牧之原市の認定こども園で起きた送迎バスでの園児死亡事件を受けた緊急対策として、政府はバスなどへの安全装置設置の義務化に踏み込んだ。発生1カ月余での決定は行政対応として迅速と言えそうだが、これで悲劇の再発は防げるのか。教育現場の危機管理に詳しい東京学芸大の渡辺正樹教授(安全教育学)は「設置だけで安心してはダメ」と警告し、過去にあった事件での「失敗例」を挙げた。【奥山はるな】

 ――政府の対応をどう評価していますか。

 ◆昨年、福岡県中間市で送迎バスに取り残された5歳児が亡くなった時は、通知を出しただけでした。今回は同様の事件が起きたのを踏まえ、すぐに関係府省会議を設置して現場の声を聞き、安全装置の設置義務化と費用助成、安全管理マニュアルの作成といった複数の対策を迅速に打ち出しました。対策の数を増やせば、事故の発生リスクを減らせます。

 ――やはり、人手に頼る対策だけでなく、安全装置など技術的な対策が重要なのでしょうか。

 ◆今回、安全装置は送迎バスの車内に設置して、運転手に車内確認を促すブザーなどが想定されています。必要な対策の一つですが、安全装置だけでは確実に事故を防げません。

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