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トヨタ・長谷部銀次 考え抜いた直球 社会人ドラフト注目 /5

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今夏の都市対抗野球大会準々決勝で五回のピンチに登板し、すべて直球勝負で無失点に抑えた豊田市・トヨタ自動車の長谷部銀次投手=東京ドームで2022年7月26日、中川祐一撮影
今夏の都市対抗野球大会準々決勝で五回のピンチに登板し、すべて直球勝負で無失点に抑えた豊田市・トヨタ自動車の長谷部銀次投手=東京ドームで2022年7月26日、中川祐一撮影

 10月20日のプロ野球ドラフト会議。夢舞台への切符をつかめるかどうかが決まる「運命」の時を前に、苦労を重ねてきた社会人選手の忘れられない「あの日」を紹介しよう。5回目は自慢の力強い直球が大舞台で輝いた左腕の成長――。

衝撃を与えた「長谷部の9球」

 まるで、野球アニメを見ているかのようだった。7月26日、都市対抗野球大会の準々決勝。1点リードの五回、1死満塁の厳しい場面で2番手としてマウンドに上がったトヨタ自動車の長谷部銀次投手(24)は、1球目から迷いなく、思い切り腕を振った。直球に狙いを定めていた相手打者のバットは、豪快に空を切った。

 この回投じた9球は、すべて140キロ台の直球。2人の打者を力でねじ伏せ、内野フライと空振り三振でピンチを脱すると、味方の追加点もあり、チームは零封勝ちを収めた。「真っすぐで押せるという判断でした。それだけの自信を持って(マウンドに)上がれる練習はしてきたので」。確信を持って投じた「長谷部の9球」は、見る人に衝撃を与えた。

 中京大中京高から慶応大を経て、トヨタ自動車に入社して2年目。華々しい経歴だが、その裏側は苦悩の連続だった。高校時代は2年の夏に地方大会で力投して甲子園出場を果たしたが、聖地では登板の機会に恵まれなかった。大学では2年春、リーグ戦のデビュー登板で高校時代から悩まされ続けていた腰椎(ようつい)分離症が悪化し…

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