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円安と物価高

日本の物価が上がっています。円安・ドル高もコスト上昇に拍車をかけ、賃上げの動きも見られます。

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「日本の弱点見透かされた」 元財務官が見る歴史的円安

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渡辺博史・国際通貨研究所理事長=東京都中央区内で2018年11月21日、井出晋平撮影
渡辺博史・国際通貨研究所理事長=東京都中央区内で2018年11月21日、井出晋平撮影

 歴史的な円安が止まらない。財務省で為替政策を担う「財務官」も務めた渡辺博史・国際通貨研究所理事長は「日本の弱さがマーケットに見透かされた」と警鐘を鳴らす。どういうことなのか。日本が直面する危機の正体とは?

 ――政府・日銀の度重なるけん制にもかかわらず、円安が加速しています。

 ◆為替市場で円安が止まらない背景の一つに、日米の金融政策の違いによる金利差拡大があることは間違いない。しかし、忘れてはならない大きな要因がある。それは日本の経済力・国力の低下がマーケットに見透かされているという厳しい現実だ。

 日本はエネルギー、食料の海外依存度が高いという構造的な脆弱(ぜいじゃく)性を抱えている。1970年代から90年代はそれを自動車、白物家電といった産業力によってカバーしてきた。だが、いまの日本に脆弱性を補える要素はほとんど残っていない。かつての花形産業は海外勢に追い抜かれ、IT(情報技術)など成長分野でも米中に後れをとっている。

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【円安と物価高】

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