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「10年、11年かけて、街は整ったけど、『余白』がないんだ。高台に新築した僕の家もそう」
東日本大震災で壊滅的な被害を受けた宮城県南三陸町。震災から11年がたち、被災した地域は整備された。海辺では、釣り人が糸を垂れ、ビーチバレーをする若者の声が響く。穏やかな時間が流れる沿岸部から、真新しい道路と建物が続く街を抜け、山の方へ上っていくと、年月を感じる家々が道沿いに並ぶ。被害を免れた地域だ。そのひとつ、入谷地区にガラス張りで商店の面影が残る「ひみつ基地砂座」が建っている。笑顔で土間に招き入れてくれた佐藤慶治さん(29)が、掘りごたつが残る「茶の間」に座ると、差し込む西日の中で、この場所との縁を語ってくれた。
佐藤さんの生まれは福島県だが、父の実家である同町で4歳から育った。高校2年生の時に被災。祖父母や両親、弟と住んでいた自宅は津波にのまれたが、家族は無事だった。震災後、祖父母は同町の仮設住宅で暮らし、佐藤さんは両親と共に、隣の登米市の親戚宅に間借りした。その後、東北福祉大に進学し、1年間のフィンランド留学を経て卒業した。卒業後は、同町に戻り、南三陸町観光協会で3年間働き、観光促進や語り部活動に取り…
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