長崎大アメフト部が起こした奇跡 廃部から20年ぶりの復活

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試合後に観客席にあいさつをする長崎大アメフト部の選手たち=福岡県筑後市の筑後広域公園球技場で2022年9月17日午後4時23分、丹下友紀子撮影
試合後に観客席にあいさつをする長崎大アメフト部の選手たち=福岡県筑後市の筑後広域公園球技場で2022年9月17日午後4時23分、丹下友紀子撮影

 その試合を、選手やOBは「奇跡」と呼んだ。部員不足で全国的に休廃部が相次ぐ大学のアメリカンフットボール界で、20年前に廃部に追い込まれた長崎大アメフト部が復活を果たし、九州学生リーグ2部の舞台に帰ってきた。

 9月17日、福岡県筑後市の筑後広域公園球技場。台風14号の接近で時折雨がちらつく中、長崎大の選手たちは公式戦の緊張を隠すかのように声を張り上げ、試合開始を待っていた。

 1チーム11人がフィールドに立つアメフトは本来、攻撃時、守備時などで選手は役割ごとに入れ替わる。しかし、この時の部員はマネジャー3人を除けば15人(現在は16人)で、負傷者も抱えていた。仮に試合で負傷者が出れば試合成立すら危ぶまれる、ギリギリの編成だった。

 第1クオーターから相手の熊本大に押され続けた。攻撃も守備も「両面」で出続ける選手の疲労は増す一方。だが、第4クオーターに1TDを奪う意地を見せた。結果は6―38。唯一の4年生、河野剣士朗選手は「試合ができずにやめていった先輩がたくさんいた。試合ができること自体が…

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