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第81期名人戦

第81期名人戦は、渡辺明名人は4連覇を懸け、藤井聡太王将は名人獲得の最年少記録更新を懸けた戦いに。解説付き棋譜中継は「七番勝負棋譜速報」からご覧いただけます。

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将棋 有吉九段死去 “火の玉流”70代まで 名人戦で師弟対決も

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現役最後の対局後の感想戦でさっぱりとした表情を見せる有吉道夫九段=大阪市の関西将棋会館で2010年、澤木政輝撮影
現役最後の対局後の感想戦でさっぱりとした表情を見せる有吉道夫九段=大阪市の関西将棋会館で2010年、澤木政輝撮影

 <第28期名人戦七番勝負第5局 有吉道夫八段VS大山康晴名人(いずれも当時)>

 有吉道夫九段が9月27日に87歳で亡くなった。

 有吉は岡山県備前市出身。1951年、15歳の時に同じ岡山の大山康晴十五世名人に弟子入りする。大山は当時27歳で年が12歳しか離れていない師弟だった。そして55年に四段に。居飛車では矢倉を得意とし、「火の玉流」の異名を持つほどの攻め将棋だ。65年にA級順位戦に参加し、69年には名人戦の舞台で師匠に挑戦した。それでは2勝2敗で迎えた七番勝負第5局を見ていただこう。

 第1図、大山の中飛車に対し、有吉は[先]7五歩から[先]7六銀と「玉頭位取り」に。有吉が最も得意とする戦法で、著書で「私は、実戦経験から振り飛車には『玉頭位取り戦法』が最善の指し方だと思う」と述べているほどだ。大山が先に動き、位を奪還、猛攻して第2図に。[後]6四桂と打って[後]7六桂を狙ったところ。大山はこの手で指せると読んでいたのだが、有吉は巧みに受ける。

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【第81期名人戦】

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