- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

印象的なピンクの高速バスで各地を結ぶWILLER(ウィラー、大阪市)。旅行会社を振り出しに、今では地方鉄道の運行まで担う。新型コロナウイルス禍では乗客を大幅に減らしながらも、次世代移動手段への取り組みを加速させた。「地方でマイカーを持たない人も自由に移動できる新しいサービスが必要だ」と訴える村瀬茂高代表(59)に、思い描く未来像を聞いた。【聞き手・小坂剛志】
――高速バスに参入したのは2006年でした。どんな経緯がありましたか。
◆インターネットの普及で、仲介を担う旅行会社を取り巻く環境が大きく変わり、次の展開を考える必要が生じました。ちょうど地方の疲弊ぶりが問題になっており、「地方を元気にしたい」と参入を決めました。東京と大阪を新幹線で移動しようとすれば、往復で3万円近くかかります。安価な移動手段をつくれば、地方から都市に出てきている若者も気軽に帰省したり、移動したりできるようになると考えました。
――安く抑えた運賃が話題になりました。
◆その当時、他社の高速バスは東京と大阪の往復で約1万7000円かかりました。これでは新幹線より所要時間が長く、体も疲れる高速バスが利用者に選ばれるはずもありません。市場調査をすると「往復1万円以下ならばバスに乗っても良い」との回答が多く、東京と大阪を結ぶ片道の基本運賃を4300円に決めました。
――運賃を安くすると利益が少なくなりませんか。
◆他社は乗車率の前提を4割にして運賃を計算していましたが、…
この記事は有料記事です。
残り1414文字(全文2042文字)