なぜ自衛隊の性被害は声を上げにくいのか 防衛大出身記者が解説

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立憲民主党ジェンダー平等推進本部などの合同会議で防衛省のヒアリングを聞く五ノ井里奈さん=衆院第2議員会館で2022年10月14日午前8時11分、竹内幹撮影
立憲民主党ジェンダー平等推進本部などの合同会議で防衛省のヒアリングを聞く五ノ井里奈さん=衆院第2議員会館で2022年10月14日午前8時11分、竹内幹撮影

 陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県)に所属していた元1等陸士、五ノ井里奈さん(23)が複数の男性隊員から性暴力を受けていた問題で、関与した隊員たちが17日、五ノ井さんに会って直接謝罪した。今後、防衛省はどのように再発防止に取り組むべきか。自衛隊の組織文化や、とるべき対策について、防衛大学校出身で自衛官に関する著書があるフリーランス記者の松田小牧さんに聞いた。【聞き手・日下部元美】

 ――五ノ井さんの告発をどう受け止めましたか。

 ◆このようなことがあってはならず、五ノ井さんの苦痛はいかばかりかと憤りを感じた。五ノ井さんの行動する勇気に敬意を持っている。告発後、自衛官たちを取材すると「こんなことがあってはならない」「こんな事案は自分の周りでは聞いたことがない」と言う人がほとんどだった。性被害については「こんなにひどいのは見たことがない」と言う人が多い。一方で皆、自衛隊にはセクハラやパワハラがあ…

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