- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

「役か本人か」。舞台で役と俳優が重なって見える瞬間がある。宝塚大劇場で上演中の「蒼穹(そうきゅう)の昴(すばる)」で、雪組トップスターの彩風咲奈(あやかぜさきな)が見せるのは、そんな演技だ。時代に翻弄(ほんろう)されながら、熱くも冷静なリーダーシップで人の心を動かす。演出家いわく「役者と役の不即不離の関係」は、どう生まれたのか。
「今までで一番の辛抱役」
「愛されている作品をやらせていただくのはプレッシャー。絶対いいものにしたい」。開幕前、真剣なまなざしで語っていた彩風。文字通りの歴史大作だ。
原作は、激動の清朝末期で懸命に生きる人々を描いた浅田次郎のベストセラー長編。脚本と演出を手がける座付き演出家、原田諒は、壮大な世界観を表現するため「宝塚歌劇がどこまでできるかのチャレンジ」をしたという。
身分により刺しゅうの柄が異なる中国服、大階段を使った紫禁城。衣装と舞台装置は、美しさだけでなく、実物の再現を追求した。専科から異例の6人が出演し、脇を重厚に固めた。
彩風が演じるのは、科挙(登用試験)に首席で合格し、皇帝に仕える官僚の梁文秀(リァンウェンシウ)。滅びゆく清朝を救おうと改革を志すが、頓挫して絶望の淵に立たされる。
「今までで一番の辛抱役」と彩風は言う。…
この記事は有料記事です。
残り964文字(全文1500文字)
時系列で見る
-
タカラヅカ 星組公演 「ディミトリ~曙光に散る、紫の花~」 いちずな愛貫く心の軌跡 /兵庫
122日前 -
「やっと認めてあげられた」 元宝塚・純名里沙が向き合ったあの頃
124日前 -
静止画のように美しく 宝塚星組の礼真琴が挑んだ東欧のダンス
132日前 -
宝塚歌劇で1000曲以上 作曲家吉田優子の扉を開けた師の言葉
133日前 -
宝塚星組「ディミトリ」開幕 礼真琴、陰で妻を守る「王配」を好演
140日前 -
宝塚歌劇団・雪組 一歩ずつ、歩んだ 朝月希和さん、サヨナラショー /兵庫
144日前 -
「道の向こうに必ず何かが」宝塚雪組・朝月希和がサヨナラショー
145日前 -
元宝塚歌劇団男役の七海ひろきさん 完璧主義な自分を変えたきっかけ
149日前 -
元宝塚歌劇団トップ・望海風斗 「1番でなかった」歌に目覚めた転機
161日前 -
「役か本人か」演技の一体感 宝塚雪組トップ・彩風咲奈
165日前 -
「オスカルよりアンドレが好き」 元宝塚トップ榛名由梨の男役の美学
167日前 -
タカラヅカ余話 絢爛装置と見事な演技 中国歴史ロマン「蒼穹の昴」
168日前 -
美しく残酷な愛の世界 谷崎潤一郎の名作、花組「殉情」開幕
170日前 -
「ごんたくれ」な元宝塚トップ 榛名由梨が優等生の殻を破るまで
174日前 -
宝塚大劇場が月曜定休へ 23年4月から 東京の劇場と合わせ
179日前 -
「ベルばら」初代オスカル 「最後の覚悟」で明治の男を選んだ理由
181日前 -
激動の清朝末期に生きる人々、力強く体現 雪組「蒼穹の昴」開幕
182日前 -
潤花さん退団会見「最後まで真風さんのお隣に」 宝塚宙組トップ娘役
184日前 -
真風涼帆さん退団会見「宝塚一色の人生でした」 宝塚歌劇宙組トップ
185日前