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第81期名人戦

第81期名人戦は、渡辺明名人は4連覇を懸け、藤井聡太王将は名人獲得の最年少記録更新を懸けた戦いに。解説付き棋譜中継は「七番勝負棋譜速報」からご覧いただけます。

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第81期名人戦A級順位戦 広瀬章人八段-稲葉陽八段 第16局の2

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広瀬の高度なパス

 稲葉は[後]6二玉を選択した。[後]4一玉は戦場に近づく意味があり、[先]3五歩が気がかり。[後]6五歩や[後]4五歩は、やはり居玉がたたるという。

 3筋を取り込んだ後、広瀬が期待したのは[先]5五歩の戦線拡大だった。「3筋だけの攻めは模様がよくない。かゆい攻めなんですが(笑い)」

 [後]4五歩の反発には[先]3五銀[後]同銀[先]同角。角を飛び出して、幸便に王手がかかる。5筋交換後に[先]8八玉と入城。王手飛車の筋を消した手で、[後]7二玉なら[先]2四歩[後]同歩[先]同角[後]同角[先]同飛と強くさばける。

 戦いの中で、稲葉は展開の悪さを感じていた。具体的に言うと、1手分立ち遅れ、[後]6二玉~[後]7二玉への移行が間に合っていないのだ。そのせいで、先手にちょいちょい主張を通されている。感想戦では「[後]1四歩が緩手だったか?」という反省を口にした。

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【第81期名人戦】

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