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習近平の中国

習近平体制は党大会を経て3期目が始動。権力集中が加速する異例の長期政権は、どこに向かうのでしょうか。

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背景に官僚の「そんたく」? 中国のGDP発表、異例の延期

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屋外の大型スクリーンで放映された中国共産党大会のテレビ中継を見る市民=中国・上海で10月16日、ロイター
屋外の大型スクリーンで放映された中国共産党大会のテレビ中継を見る市民=中国・上海で10月16日、ロイター

 中国政府が、18日に予定していた2022年7~9月期国内総生産(GDP)の発表を突如延期した。当局は、詳しい理由は説明していない。だが、現在、開かれている共産党大会で習近平総書記(国家主席)が異例の3期目入りを目指すなか、官僚が「そんたくしたのでは」との臆測が広まっている。

 「仕事上の都合だ」。GDPなど経済統計を担当する中国国家統計局は複数の海外メディアの取材に、突然の発表延期の理由をこう説明した。

 GDPは景気の現状を示す統計で、各国の政府が経済運営の基礎に置く最重要の統計の一つだ。主要国は3カ月に1度発表しており、米国に次ぎ世界第2位の経済大国である中国のGDPは世界中から注目を集めている。そんな重要な統計の発表が直前になって延期されるのは、極めて異例だ。

 しかも、統計局は延期を公式に発表したわけではない。年初にホームページ上で公表した発表日程を告知もせずに更新。発表日時が「延期」となったことに気付いた海外メディアが報道した。更新日時は17日午後4時で、発表まで18時間というタイミングだった。

 統計局は、統計を予定通り公表するのが「仕事」のはず。党大会は5年に1度で、5年前は党大会期間中でも予定通り発表していた。彼らの仕事を阻んだ今回の「都合」とは一体どのようなものなのか。

 有力なのが、…

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【習近平の中国】

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