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ロシアが2月にウクライナに侵攻して以降、世界に影を落とし続けるのがプーチン露大統領による核使用の懸念だ。仮に使用されるとすればどのような形を取るのか。ウクライナ戦争の分析で知られ、核抑止理論を専門とする防衛研究所の高橋杉雄・防衛政策研究室長に聞いた。【和田浩明】
危険な局面すでに3回
――ロシアが核兵器を使う可能性はあるのでしょうか。現状をどう見ますか。
◆今回の紛争ではこれまでに3回、ロシアによる核兵器の使用を懸念した局面がありました。1回目は3月中旬。ロシア軍は首都キーウ(キエフ)攻略を諦めて撤退しましたが、再攻略を目指して第2次攻勢をかけるならば核兵器が使用される可能性があると考えていました。
2回目は4月の東部ドンバス地域をめぐる攻防戦です。特に激戦地だったイジューム周辺でウクライナ軍を撃破するために使用する可能性があった。3回目は9月中旬以降。ロシアの東部や南部での劣勢が特に目立った時期が、最もリスクが高いと感じました。
プーチン大統領が9月21日に部分的な動員令に署名して、ほっとしました。通常戦力を立て直す意思を示したからです。通常戦力が機能するなら核兵器を使う必要がありません。プーチン氏は演説で核使用の可能性は示唆しましたが、激しいレトリックによる核の恫喝(どうかつ)ではありませんでした。
核によって人類を滅ぼさない責任を米国と分かち合う国としての経験と責任感を、ロシアはまだまだ捨てていないと私は思っています。
核を使う判断 何を基準に?
――今後も危機的な局面は来ますか。
…
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