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ゆったりした麻のシャツに、カーキ色の細身のパンツ。童顔の男性(36)は終始うつむきがちで、一秒でも早く、その場から立ち去りたいように見えた。
6月、名古屋地裁。交際相手を包丁で刺した女性(39)の公判=上はこちら=に、刺された男性が証人として出廷した。
検察側の質問に対し「ころすぞごみ」などと、何度も女性にメッセージを送ったことを認めた。殺人未遂事件の被害者だったはずの男性が、法廷で「モラハラ男」と非難されるという奇妙な展開だった。
一方、黒いスーツに身を包んだ女性は「やらないと、やられてしまうと思った」と涙ながらに語った。
「こうするしかない」動画に残し
事件があった2年前の11月13日午後5時すぎ。女性は自宅1階の和室で手紙を書いた。母親と1カ月半前に別れた元夫、4人の子どもに宛てたものだった。
その後、子どもたちに見られないように2階の廊下へ。男性の存在を家族に隠していたことをわび、しばらく会えなくなるので子どもたちを守ってほしい、と5分ほどの動画に残した。
「みんなごめん。こうするしかなかった」
スマートフォンのカメラに向かって話す女性の目の下に…
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