知られざる氷河の素顔 絶景と気候の影響 調査隊と立山を行く

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朝焼けに染まる内蔵助氷河のある雪渓。7月はまだ残雪が多い=富山県・立山で2022年7月30日、滝川大貴撮影
朝焼けに染まる内蔵助氷河のある雪渓。7月はまだ残雪が多い=富山県・立山で2022年7月30日、滝川大貴撮影

 「氷河」と聞くと、多くの人は北極や南極、ヒマラヤやアルプスなどを連想するだろう。日本とは無縁な感じがするが、実は国内では七つの氷河が確認されている。2012年4月に富山県・立山連峰の3カ所の万年雪が、国内初の氷河に認定されて今年で10年。1980年代から研究を続け、国内の氷河認定の立役者となった立山カルデラ砂防博物館の飯田肇学芸課長(67)らの調査に同行し、氷河の素顔に迫った。【滝川大貴】

 10月6日、山小屋の人々が運搬用に使う歩荷道(ぼっかみち)を使い、紅葉の斜面を登って氷河を目指した。山の中腹を過ぎると、パラパラと雪が舞い始める。例年より早めの初冠雪だ。稜線(りょうせん)に着くと、強風をもろに受け、吹雪に変わったが、顔をしかめながら歩き続けた。

 標高約2800メートル。立山連峰で最も標高の高い雄山(おやま)の少し北にある、真砂岳(まさごだけ)の稜線にたどり着くと、斜面が巨大なスプーンでえぐられたような地形が広がっていた。「カール」と呼ばれ、長い年月をかけて氷河の浸食によってできたものだ。…

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