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8月末に指された第81期A級順位戦3回戦、▲広瀬章人八段(対局時2勝)と名人3期の△佐藤天彦九段(同2敗)との一戦は、49手まで前期A級順位戦での両者の対戦(2021年11月)と同じ局面をたどった。前回は後手番で敗れた広瀬が先手番で同じ手順に誘導し、角を切る勝負手を放ってリベンジを図ったが、その成否は――。盤側に座った上地隆蔵さんがリポートする。
第1譜(1~32)
▲7六歩1 △8四歩1 ▲6八銀 △3四歩
▲7七銀 △7四歩 ▲2六歩 △7二銀
▲2五歩1 △3二金 ▲7八金 △6四歩
▲4八銀4 △7三桂1 ▲7九角3 △6三銀1
▲3六歩2 △4二銀2 ▲6九玉1 △5四歩7
▲3七銀5 △8五歩2 ▲6八角1 △3三銀2
▲5六歩3 △6五歩4 ▲3五歩14 △同歩 1
▲2六銀1 △3六歩1 ▲3五銀1 △3一角1
(図1)
(持ち時間各6時間 消費▲37分△23分)
意地っ張り
連勝と連敗。明暗分かれた両者の3回戦が8月31日、東京・将棋会館「特別対局室」で行われた。
今期の竜王戦挑戦者に決まった広瀬章人八段。タイトル戦登場は2019年度の王将戦以来だ。七番勝負の意気込みを聞いた。
「最近というか、昨年度からパッとしない成績が続いており、竜王戦に白星が集まった印象。運がよかったです」
そして、「藤井竜王との初タイトル戦は楽しみ……と言いたいところですが、自分より強い渡辺名人、永瀬王座、豊島九段が返り討ちに遭っています。ですから正直不安な部分は残ります。自分なりに精いっぱい指したいです」と続けた。
盤上は現代調の矢倉。何気なく進行を眺めているうちに、既視感があることに気づく。データベースで調べると、手順こそ違うものの、両者が前期A級の5回戦で同一の将棋を指していたと判明。そして恥ずかしながら、筆者が観戦記を担当していたというオチだった。
その対局の勝者は佐藤天彦九段。広瀬は同じ相手に、同じ形を再度ぶつけたわけで、意地っ張りな一面がうかがえる。
自宅のパソコンには、佐藤の解説メールが残っていた。例えば△3一角(図1)に代えて△3七歩成は▲同桂△3六歩▲4五桂△3七歩成▲2六飛でいい勝負という。
第2譜(33~5…
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