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中学受験

2022年の私立・国立中の受験者数が首都圏で過去最多に。少子化が進む中、受験熱は地方にも広がっています。

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公立と私立、入学後伸びるのは 追跡調査で見えた中学受験の「効用」

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教育社会学者の森いづみさんは、子どもの変化を追跡した大規模調査を基に、中学受験の効果などの検証を試みた=横浜市港北区で2022年10月13日、手塚耕一郎撮影
教育社会学者の森いづみさんは、子どもの変化を追跡した大規模調査を基に、中学受験の効果などの検証を試みた=横浜市港北区で2022年10月13日、手塚耕一郎撮影

 首都圏を中心に中学受験への熱は年々高まっている。厳しい試験を勝ち抜いて進学するか、地元の公立校に進むかで、勉強のやる気に違いは出るのだろうか。子どもの変化を追跡した大規模調査を基に、その検証を試みた教育社会学者の森いづみさん(41)に中学受験の効用について聞いた。意外な結果も出てきたという。【聞き手・李英浩】

 ――なぜ中学受験に注目したのですか。

 ◆中学受験を経て私立や国立などの中学に進む子どもは全国で10%弱いて、その過熱ぶりはメディアでも注目されています。中学受験を巡るこれまでの研究では、受験に親の階層や教育意識が反映されやすいことは明らかにされてきました。ただ、私立校での教育や体験そのものが、子どもにどのように影響するのかについては、学術的にはよく分かっていませんでした。

 仮に、高いスキルを持った生徒たちが私立に集まる傾向が強いだけのことであれば、メディアなどで宣伝されている私立進学のメリットは、見かけ上の効果に過ぎない部分もあるのではないかと疑問を持ったことがきっかけでした。

調査対象は2万人の子ども

 ――分析の方法は?

 ◆ベネッセ教育総合研究所と東京大社会科学研究所が、毎年約2万人の子どもを対象に実施している調査を利用しました。同じ子どもを対象にする「パネル調査」と呼ばれるもので、個人ごとの意識や習慣が、どう変化したかを見ることができるのが特徴です。

 中学進学時までの生徒自身の学力や家庭環境、親の学歴などによる影響を取り除いて分析することで、純粋に「私立へ行ったこと」による効果が測れると考えました。

平日の勉強時間、長いのは?

 ――分析の結果、どのような違いが分かりましたか?

 ◆公立小から私立中などへ行った「中学受験組」は、小6で平日の勉強時間が、地元の公立に進んだ子どもより…

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