ヤクルト1位指名の吉村 「振り子投法」で名門・東芝のエースに
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ヤクルトは20日のプロ野球・新人選手選択(ドラフト)会議で、東芝の最速153キロ右腕・吉村貢司郎投手(24)を1位で指名し、交渉権を獲得した。
吉村は、前日にヤクルトの高津臣吾監督が1位指名を明言しただけに「そこまで期待してくれているので、応えられるようにやっていきたい」とホッとしたような笑顔を見せた。
常時150キロ前後の力のある直球にフォーク、スライダーなど変化球も多彩だ。先発として完成度の高い投球が評価された。今季セ・リーグを2連覇したチームの即戦力投手としての期待が高いだけに、「開幕から先発ローテーションに入りたい」と意気込む。
日大豊山高時代は3年夏に東東京大会決勝で、オコエ瑠偉(現楽天)を擁する関東一高に敗れて準優勝。国学院大ではプロから注目された逸材だったが、「東芝のエースになってプロに行く」と決めた。
入社当初はけがに苦しみ、社会人選手のドラフト解禁年となる2年目の昨年に指名漏れを経験。東芝のエースに成長した3年目で「社会人ナンバーワン」の評価を受けた。2週間前の6日にはヤクルト1軍メンバーとの練習試合で先発し、3回を3安打無失点、7奪三振。「3冠王」の村上宗隆から空振り三振を奪って評価は急上昇した。
「自信があるのは奪三振率。自分の球がどのぐらい通用するのか楽しんでやりたい」。充実期を迎えたままプロの門をたたく。【浅妻博之】
編み出した新フォーム「はまった」
東芝のエースが、3年間の社会人野球生活で「社会人ナンバーワン投手」に進化を遂げた理由とは何か。
今夏の都市対抗野球で、吉村は1回戦の札幌市・北海道ガス戦に先発。四回に1死から連打と犠飛で1点を失った。これが決勝点となり、チームは0-1で敗北。「東芝は勝たないといけないチームだし、どんな状況でもチームに勝利をもたらさないといけないのが東芝のエース」。悔しさばかりが残った。
それでも成長の跡は確かに見せた。国学院大時代に右肩を故障したこともあり、東芝入社後も昨季途中までは伸び悩んでいた。
転機は…
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