魚粉高騰、養殖ピンチ 円安、買い負け 代替餌に活路

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AIやIoTを活用した自動給餌器から海中に投入された餌を食べるマダイ=愛媛県西予市で2022年8月31日午後3時16分、町野幸撮影
AIやIoTを活用した自動給餌器から海中に投入された餌を食べるマダイ=愛媛県西予市で2022年8月31日午後3時16分、町野幸撮影

 養殖業界が今、大きなピンチを迎えている。天然の水産資源が減少するなか成長が期待される養殖だが、餌に使う魚粉が高騰して業者の経営を圧迫しているのだ。「このままでは存続が難しくなる」と危機感が募る業界では、持続可能な養殖を目指す取り組みも始まっている。

 「予想よりも一段と高くなってしまった。飼料代だけで年間250万~300万も負担が増えてしまう」。ニジマスやイワナなどの川魚を養殖している「あづま養魚場」(群馬県東吾妻町)の池田駿介取締役(36)は、10月からの餌代の値上がりに頭を抱えていた。

 同社が使うのは、魚粉、小麦粉、大豆油かすなどを含む乾燥した固形タイプの配合飼料だ。4月に1度値上がりし、10月からは今年2度目の値上げとなる。値上がり幅も4月に比べて最大4倍ほどに増大し、年間で約25%の負担増になる。魚の卸先は旅館やホテルが多い。4月は卸価格の値上げに理解を得られたが、「年に2回も値上げをお願いしないといけない。ご理解をいただけるか不安だ」と吐露する。

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