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村上春樹をめぐるメモらんだむ

現代作家として国際的に高い評価を受けている村上春樹さん。小説の執筆だけでなく、翻訳に、エッセーに、ラジオDJにと幅広く活躍する村上さんについて、最新の話題を紹介します。

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秋の宵に「雨月物語」の朗読を聞く 上田秋成文学が与えた影響

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「村上春樹presents白石加代子怪談ライブ『雨月物語』」で朗読後のトークに臨む作家の村上春樹さん(左)と俳優の白石加代子さん=早大坪内博士記念演劇博物館で2022年9月28日
「村上春樹presents白石加代子怪談ライブ『雨月物語』」で朗読後のトークに臨む作家の村上春樹さん(左)と俳優の白石加代子さん=早大坪内博士記念演劇博物館で2022年9月28日

 2021年10月の早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー、東京都新宿区)の開館から1周年を控えた22年9月中・下旬、村上春樹さんに2度会う機会――正確にはその姿を見る機会があった。いずれも同大でのイベントである。

 この間、9月25日のラジオ番組「村上RADIO」では、7月に開催されたジャズピアニストの山下洋輔さんらによる「再乱入ライブ」(早大大隈記念講堂)の模様が放送され、村上さんと山下さんとのトークの一部も流れた。10月1日からは同ライブラリーに隣接する坪内博士記念演劇博物館(演博)で企画展「村上春樹 映画の旅」が始まり、充実した図録(フィルムアート社)も刊行されたが、作家本人もそこにエッセーを書き下ろしている。

 一方、10月上旬に刊行された雑誌「文学界」11月号では、村上さんがジャズをめぐってのインタビュー(聞き手・村井康司さん、収録は8月3日)に答えている。これだけを見ても、最近のこの作家の活動量、発信量の多さには驚くべきものがある。

 今回は早大での9月のイベントに絞って取り上げるが、まずは14日に同ライブラリーで行われたボーカルグループ、ゴスペラーズのライブである。地下1階から地上2階まで吹き抜けの構造になっている同館中央の大階段を客席に、地下1階のスペースを舞台として行われた。イベント中に村上さんの発言はなかったが、舞台脇の関係者席で熱心に耳を傾ける様子が見られた。

 ゴスペラーズは…

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