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ウクライナ侵攻

ロシア軍がウクライナに侵攻。米欧や日本は対露制裁を決めるなど対立が先鋭化しています。

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「記録とケアを」戦時下の性暴力で生まれた私が伝えたいこと

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アイナ・ユシッチさん=ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで2020年3月8日午後1時35分、三木幸治撮影
アイナ・ユシッチさん=ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで2020年3月8日午後1時35分、三木幸治撮影

 ロシア軍によるウクライナ侵攻では、多くの死者が出るとともに無数の性暴力が起きている。紛争時には、敵を支配する「武器」の一つとして性暴力が使われるからだ。ウクライナ、そして国際社会は「戦時下の性暴力」にどう対応すべきなのか。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争(1992~95年)で、敵兵による性暴力で「生まれた」子供の一人、アイナ・ユシッチさん(29)に話を聞いた。

2万5000人が被害に

 「21世紀の欧州で再び紛争が起こるなんて、とても悲しい。でもウクライナは、ボスニアの教訓から学んでほしい」。アイナさんは厳しい表情で語る。

 冷戦終結後、旧ユーゴスラビア連邦が崩壊する過程で起きたのが、ボスニア紛争だった。ボスニアの旧ユーゴからの独立を巡り、隣り合って暮らしていたセルビア人、ボシュニャク人、クロアチア人が対立し、戦闘を始めた。

 3年以上にわたる紛争で死者は約10万人に達し、性暴力の被害者は2万5000人を超えた。また、紛争時の混乱で中絶ができず、性暴力で生まれた「子供」たちもいた。その数は数千人とされる。

 アイナさんは1993年、クロアチア人兵士に性暴力を受けたボシュニャク人の母から生まれた。出産後、母はアイナさんに性暴力を隠し、父は「紛争で死んだ」と偽った。アイナさんが、自らの出自を知ったのは…

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【ウクライナ侵攻】

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