活動弁士が語るヒロシマ 徳川夢声の原爆小説「もう一度、世に」
毎日新聞
2022/10/25 11:48(最終更新 10/25 16:08)
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「話芸の神様」と呼ばれ、活動写真弁士や文筆家など多芸多才で知られた徳川夢声(1894~1971年)は、戦後早く広島原爆を題材に短編小説を書いていた。埋もれさせてはならない傑作をもう一度世に問いたい--。夢声を敬う現役の活動弁士、片岡一郎さん(44)=東京都=が朗読会を始めた。
9月末、平和記念公園近くのカフェ。市民グループが企画した約1時間の朗読会に集まった聴衆約30人は、無声映画のセリフや背景を解説する「活弁」で磨いた片岡さんの語りに引き込まれていた。上演を終えた片岡さんは「広島でこの作品を読む意味を思うと、とても緊張しました」と表情を緩めた。
1950年に発表された「連鎖反応 ヒロシマ・ユモレスク」。主人公は鉄道職員の男で、広島駅近くの病院で被爆し、幻惑を覚えながら市内をさまようさまを淡々と追う。凄惨(せいさん)な光景と主人公を覆う虚無感を重ねた描写は、ユーモアがにじむ独特の筆致でつづられる。
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