黒留袖姿の日本固有種 小笠原の海をひらひらと舞い泳ぐユウゼン
毎日新聞
2022/10/26 06:00(最終更新 10/26 06:00)
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日本の固有種、ユウゼンです。
サンゴ礁などをひらひらと舞い泳ぐチョウチョウウオの仲間です。白く縁取られた黒いウロコが全身を覆うさまが、伝統的な「友禅」着物を思わせるから、と名づけられました。
光が当たると、深いメタリックグレーに鈍く輝きます。尾ビレと背、尻ビレの鮮やかな黄色も目を引きます。
◇
本来の友禅は染色の手法のことで、黒っぽい色に限らずさまざまな色があります。でも、渋く落ち着いた色あいの固有種には和装に関わる名前がふさわしい、とそのまま標準和名にも採用されました。黄色など派手な色のチョウチョウウオがきらびやかなドレスとすれば、ユウゼンはしっとりした留袖着物なのです。
ダイバーが一度は目にしたい、と話す人気のサカナです。観賞魚愛好家、特に海外の愛好家にとっても憧れの的なのだとか。ユウゼンは日本的な見かけですが、美を感じるヒトの心は世界共通です。
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