- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

次期年金制度改革に向けた議論が25日、厚生労働省の審議会で始まった。国民年金(基礎年金)の給付水準を引き上げるため、保険料納付期間の5年延長などが検討される見通し。少子高齢化が一層進み、社会保障を支える現役世代が減少する中、給付水準の目減りに歯止めをかけ、年金財政の悪化を食い止める狙いがある。
5年に1度の「財政検証」、来年とりまとめ
厚労省は一連の改革案を実施した場合の試算や、年金財政の持続可能性を点検する5年に1度の「財政検証」を2024年にとりまとめ、25年の通常国会に改正案の提出を目指す方針だ。
公的年金は、自営業者や会社員世帯の専業主婦(主夫)らが加入する国民年金(1階部分)と、会社員らが入る厚生年金(2階部分)からなる。国民年金保険料(22年度月1万6590円)を40年納めると、65歳から満額で月6万4816円を受給できるが、給付水準は厚生年金に比べて低い。
「低年金」に拍車をかけているのが、04年に導入された「マクロ経済スライド」だ。年金財政を維持するため、物価や賃金の伸びよりも年金額を抑える仕組みだが、デフレ下では発動しないため、実施されたのは過去3回だけ。現在の受給水準は当初想定よりも高止まりし、今後の抑制幅が大きくなるため、40年代半ばの給付額は、厚労省が設定するモデル世帯(元会社員の夫と専業主婦の夫婦)の水準で、3割弱減少する可能性がある。
年金改革の議論では、国民年金の給付水準を引き…
この記事は有料記事です。
残り1372文字(全文1985文字)