「トランプ戦法」継承するボルソナロ氏の狙い ブラジル大統領選決選

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2019年3月19日、トランプ米大統領(右、当時)にサッカー・ブラジル代表のジャージーをプレゼントするブラジルのボルソナロ大統領=米ホワイトハウスで、ロイター
2019年3月19日、トランプ米大統領(右、当時)にサッカー・ブラジル代表のジャージーをプレゼントするブラジルのボルソナロ大統領=米ホワイトハウスで、ロイター

 30日に決選投票が投開票される南米ブラジルの大統領選に、米国のトランプ前大統領(76)が、再選を目指す右派、ボルソナロ大統領(67)=自由党=を支持する投稿をインターネット上で発信し、場外から選挙応援をしている。トランプ氏を信奉するボルソナロ氏は、エールを歓迎。トランプ氏にならって、不利な情報は「フェイク」とかわし、対立候補の左派のルラ元大統領(77)=労働者党=を批判する選挙戦を続ける。ボルソナロ氏はトランプ氏の政治的な戦法をどこまで継承しているのか。【サンパウロ中村聡也】

トランプ氏エールに「アミーゴ」

 「あなたたちは、世界で最も偉大なリーダーの一人で、素晴らしい男を再選させるチャンスを手にしている。ボルソナロ氏が長い間、リーダーであることを望む。1票を投じよう」

 1回目投票が行われる前日1日の深夜、ボルソナロ氏はツイッターに、トランプ氏からの応援動画を投稿した。これに自身も「ありがとう、アミーゴ。ブラジルのために私たちは戦う決意だ」とコメントを添え、親密さをアピールした。

 2日に行われた1回目投票は、ルラ氏が得票率48%、ボルソナロ氏が43%で、決選に進んだ。白票などを除いた有効票に関して、事前の世論調査では、ルラ氏が50%前後でボルソナロ氏を10ポイント以上突き放し、1回目の投票で過半数を得て当選を決めるという予測も出ていた。予測が外れ、「世論調査はフェイク」と主張してきたボルソナロ氏陣営は勢いづく。

 トランプ氏は1回目投票の結果判明後、自身のSNS(ネット交流サービス)「トゥルース・ソーシャル」に「ボルソナロ氏の勝利は目前だ」と投稿。翌3日にも「ブラジルの将来のため、ボルソナロ氏をゴールラインに立たせなければならない」と書き込んだ。

 ボルソナロ氏はエールを受け、トランプ氏との関係を選挙戦で強調。7日発売の有力週刊誌ベジャの取材で外交関係について聞かれ、「トランプ氏が(大統領で)いれば、ウクライナ紛争は起きなかったとの指摘がある。私はこれに同意する」と述べた。判断の根拠や国際情勢の説明はない。トランプ氏との蜜月関係を外交上の実績としてアピールしたかったとみられる。

 元軍人で下院議員だったボルソナロ氏と、実業家で公職や軍歴経験がないトランプ氏。経歴は異なるが、既存政治への批判や、女性、性的少数者への差別的発言、中絶や銃規制への反対姿勢など言動に似たところは多い。批判的なメディアを「フェイクニュース」と呼び、SNSで自身の情報を発信する点も共通する。

 2人の政治スタイルが重なることについて、極右政治などを研究するジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)サンパウロ・ビジネススクールのギリェルメ・カサロエス教授(政治学)は…

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