新しい原発「次世代革新炉」、政府が検討 何が革新的なのか

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日立製作所が英国の基準を取り入れた改良型沸騰水型軽水炉のイメージ図=日立製作所提供
日立製作所が英国の基準を取り入れた改良型沸騰水型軽水炉のイメージ図=日立製作所提供

 岸田文雄首相が今年8月、新しいタイプの原発「次世代革新炉」の開発・建設の検討を進めると表明した。脱炭素社会への移行に必要だとの判断だ。現在、さまざまなタイプの炉が検討されている。そのうちの一つ「革新軽水炉」について、国内の原発メーカーの一つ、三菱重工業は、大手電力4社と開発を進めると9月に発表した。にわかに注目され始めた次世代革新炉とは、どのような点が革新的なのだろうか。【吉田卓矢】

 岸田首相は8月、脱炭素社会への移行に向けた政策を検討する「グリーントランスフォーメーション(GX)実行会議」の会合で、年末までに開発について検討するよう指示した。この時すでに、経済産業省の作業部会では、開発・建設へ向けた技術的な工程表案が示されていた。次世代革新炉として挙がったのは、革新軽水炉▽出力30万キロワット以下の小型軽水炉▽高速炉▽高温ガス炉▽核融合炉――の5炉型だ。

 経産省の検討の背景には、脱炭素化やエネルギー安全保障の観点から欧米が高速炉や小型軽水炉などの開発を加速させるなど、原発を巡る世界的な動きがある。担当者は「新型炉の重要性が増す中で、国内ではどういったものが選択肢となるか整理する必要があった」と語る。

 その実現可能性には濃淡がありそうだ。作業部会メンバーで東京都市大学の高木直行教授(原子力工学)は「この中で、政府が目標に掲げる2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)の達成に貢献できるのは、革新軽水炉だけだろう」と話す。

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