増えぬ「不登校特例校」 職員確保など高いハードル、知名度も低く
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2021年度に全国で「不登校」と判断された小中学生は、過去最多の24万4940人に上った。増加は9年連続で歯止めがかからず、学びの機会の確保が課題となっている。政府は不登校の子どもの事情に合わせた特別カリキュラムを組める「不登校特例校」の全国設置を目指すが、10都道府県の計21校にとどまる。
仙台市のベッドタウンでもある宮城県中部の富谷市に4月、東北地方初の不登校特例校が開校した。市立富谷中学校西成田教室だ。市内在住で不登校だった中学1~3年生の15人が通う。富谷中の分教室としての位置づけで、同校の教員が西成田の授業も担当する。
明治期に建てられた小学校の旧校舎内にあり、木造のぬくもりある雰囲気が特徴だ。当初は緊張で休みがちだった生徒も出席数は増えているといい、佐藤広昭校長は「小さな積み重ねだけれど、ここまでやってこられました」と語った。
不登校の要因は多様で複雑だ。特例校では、学習指導要領にとらわれず、子どもが抱えた事情に配慮して授業の時間や内容を柔軟に編成できる。民間のフリースクールなどと異なり、文部科学相が指定した学校のため、正規の教育課程として認められる利点もある。
西成田教室は、…
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