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空気が乾燥する冬は、顔や手がかさつきがちだ。保湿をしても唇のひび割れが治らないこともある。老いも若きも抱える「肌」の悩み。多様な症状があるが、唇の乾燥と、腕のしみについて、聖路加国際病院皮膚科の新井達部長に解説してもらった。【聞き手・原田啓之】
Q1 唇の荒れが治らない
唇が乾いてヒリヒリします。左右に裂けて痛いですし、薄皮がむけます。皮膚科で処方されたワセリンを塗っても治りません。(栃木県、90歳、女性)
A1 多いのはかぶれ
唇は食べ物、飲み物、そして口紅やリップクリームなど、さまざまな物が接触しますので、炎症を起こしやすい場所です。唇が荒れることを総称して、口唇炎(こうしんえん)と呼んでいます。
一番多い原因はかぶれです。今まで問題なく使用していたものでも、ある日突然、アレルギー反応を起こしますので、注意が必要です。歯磨き粉の泡立ちを良くする成分や、リップクリームの伸びを良くする成分などにかぶれて、来院される方もいます。このタイプは接触口唇炎と呼びます。
中年以降の女性に時々みられるのはシェーグレン症候群です。涙腺や唾液腺の炎症により目や口が渇き、その結果、唇も乾きます。
また、唇の乾燥が気になって舌でなめ回して、唇の周りに湿疹ができることがあります。その他にも、アトピー性皮膚炎▽自分で皮をむしってしまう▽かびの一種であるカンジダ菌による口唇炎――などのケースがあります。
かぶれが疑われる場合は、パッチテストという検査を行い、どの物質がアレルギー反応を引き起こすか特定します。かぶれの原因物質が分かったら、その物質が入っていない商品を購入してもらいます。唇だけでなく口の中も乾くようであればシェーグレン症候群を疑い、血液検査などで診断できれば、唾液を増やす飲み薬を処方します。
かぶれなどの原因がなく、唇が乾燥しているのであれば、ワセリンなどの保湿剤、炎症が起きていればステロイド軟こうを使います。ビタミンB2の摂取不足も原因になるので、ビタミンB2製剤を処方することもあります。
相談者は、医師が処方したアトピー性皮膚炎に使われるプロトピック軟こうを唇に塗ることに不安を感じているようですね。プロトピック軟こうは免疫抑制剤が含まれた軟こうですので、唇をなめないようにしてお使いください。
Q2 腕のしみが気になる
13歳の息子の左腕にしみがあります。1歳ごろ、出てきました。皮膚科では、ほくろの一種で気にしなくていいと言われました。(山口県、42歳、女性)
A2 良性か悪性か検査も
相談者のご子息は、ひじの周りの皮膚に淡い褐色の斑があり、その中に濃い褐色部分が点々とあります。私は実際に診察していないので、はっきりしたことは言えませんが、こうした状態は「点状集簇性母斑(てんじょうしゅうぞくせいぼはん)」の可能性があると考えられます。
淡い褐色の部分は、周りの皮膚よりメラニン色素が多くある状態で、…
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