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「読み継いで」筆跡に思い 瀬戸内寂聴さんの源氏物語(京都府宇治市)

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「寂聴源氏の魅力」をテーマにした中周子さんの講座。参加者は真剣に聞き入っていた=京都府の宇治市生涯学習センターで2022年9月15日午後2時29分、三角真理撮影
「寂聴源氏の魅力」をテーマにした中周子さんの講座。参加者は真剣に聞き入っていた=京都府の宇治市生涯学習センターで2022年9月15日午後2時29分、三角真理撮影

 <学ぶ・育つ・挑む>

 作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが亡くなってまもなく1年。寂聴さんの功績の一つが「源氏物語」の現代語訳だ。どんな思いで取り組んだのだろうか。寂聴さんが名誉館長を務めた京都府の宇治市源氏物語ミュージアムを訪ね、生前を知る人たちに聞いた。【編集長・三角真理】

 現在、同館では「源氏物語から広がる世界――名誉館長瀬戸内寂聴先生とともに」と題した企画展を開催中(11月20日まで)。寂聴さんの「源氏物語」現代語訳の直筆原稿、ノート、愛用した万年筆、筆などを展示している。原稿やノートに残るさらさらとした筆跡を見ていると、ひたすらペンを走らせた寂聴さんを想像する。

 展示を担当したのは学芸員、坪内淳仁さん(49)。坪内さんが寂聴さんに初めて会ったのは8年前。名誉館長として寂聴さんの講座があったときだ。「寂聴さんは小柄な方なのに舞台に上がって話し始めたら、ものすごく大きく見えたんです」。そのとき受けた寂聴さんの存在感が忘れられず、今回、どう展示すればよいのか悩んだ。寂聴さんを知る人は多くいるはずで、どんな展示をすれば来館者を満足させられるのか、と。

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