- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

<学ぶ・育つ・挑む>
作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが亡くなってまもなく1年。寂聴さんの功績の一つが「源氏物語」の現代語訳だ。どんな思いで取り組んだのだろうか。寂聴さんが名誉館長を務めた京都府の宇治市源氏物語ミュージアムを訪ね、生前を知る人たちに聞いた。【編集長・三角真理】
現在、同館では「源氏物語から広がる世界――名誉館長瀬戸内寂聴先生とともに」と題した企画展を開催中(11月20日まで)。寂聴さんの「源氏物語」現代語訳の直筆原稿、ノート、愛用した万年筆、筆などを展示している。原稿やノートに残るさらさらとした筆跡を見ていると、ひたすらペンを走らせた寂聴さんを想像する。
展示を担当したのは学芸員、坪内淳仁さん(49)。坪内さんが寂聴さんに初めて会ったのは8年前。名誉館長として寂聴さんの講座があったときだ。「寂聴さんは小柄な方なのに舞台に上がって話し始めたら、ものすごく大きく見えたんです」。そのとき受けた寂聴さんの存在感が忘れられず、今回、どう展示すればよいのか悩んだ。寂聴さんを知る人は多くいるはずで、どんな展示をすれば来館者を満足させられるのか、と。
この記事は有料記事です。
残り1452文字(全文1932文字)