「言論の自由」盾にするマスク氏 振り回されたツイッターの行方

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イーロン・マスク氏による米ツイッターの買収手続きが完了した。買収総額は440億ドル(約6・4兆円)に上る=10月28日、ロイター
イーロン・マスク氏による米ツイッターの買収手続きが完了した。買収総額は440億ドル(約6・4兆円)に上る=10月28日、ロイター

 世界一の富豪、イーロン・マスク氏がツイッターを振り回す「劇場型買収」がようやく完了した。世界で1日当たり2億人超が利用する影響力の大きい情報発信プラットフォーム。「言論の自由」を盾に投稿規制を否定し、過激な言動で当局からにらまれるマスク氏は、今後ツイッターをどう運営していくのか。【ワシントン大久保渉】

人員削減で虚偽・ヘイトまん延の恐れも

 「マスク氏がツイッター社員を75%削減する計画」。米紙ワシントン・ポスト電子版が20日報じた記事にツイッター内で衝撃が走った。実行すれば社員数は現在の約7500人から2000人程度に激減する。人件費削減で収益率を大幅に高める狙いがあるとみられるが、フェイクニュースや暴力表現のチェック、サイバー攻撃への対応などがおろそかになるのは避けられない。

 ツイッターは一般市民に加え、各国首脳や政治家、財界人なども利用するプラットフォームとして半ば公的な性格を帯び始めている。虚偽情報やヘイトスピーチを防ぐには運営サイドによる投稿規制が不可欠だが、マスク氏は「言論の自由」を盾に規制反対の立場をとってきた。

 2021年1月の米議会襲撃事件で永久凍結されたトランプ前大統領のツイッターアカウントについて凍結を解除する考えも示しており、SNS(ネット交流サービス)業界では「マスク氏の買収後、ツイッターが『何でもあり』の無法地帯に変わってしまうのでは」との懸念が出ている。

 マスク氏は10月27日、買収目的について「さまざまな信念を健全に議論できるデジタル広場が必要だからだ。ツイッターを何でもありの地獄絵図にすることはあり得ない」と、適切な投稿規制を続ける考えをツイートした。「世界で最も尊敬され企業のブランド価値を高める広告プラットフォームを目指す」と売上高の9割を占める広告事業を重視する方針も明記し、SNS…

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