「福井のラピュタ」見学ツアー参加で気づいた 「整備しない」魅力

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苔むした神殿のような宮谷石切場跡=福井県あわら市で、2022年10月19日午後2時59分、国本ようこ撮影
苔むした神殿のような宮谷石切場跡=福井県あわら市で、2022年10月19日午後2時59分、国本ようこ撮影

 全国には、宮崎駿監督のアニメ映画「天空の城ラピュタ」の世界を思わせる名所がいくつかある。福井県では、雲海に浮かぶ姿が美しい越前大野城(大野市)が有名だ。しかしネットで検索すると、もう一つ「福井のラピュタ」があることがわかった。どんな所なのか。ラピュタファンの私は、胸を躍らせて出かけた。

 その場所は、同県あわら市にある「宮谷石切場跡」。明治時代から「宮谷石(みやだにいし)」が切り出されていた廃坑だ。現在は私有地で、見学には地域住民で作るNPO法人「細呂木地区創成会」主催のツアーへ参加が必要だ。石切場に日が差す時間に到着するよう、近隣の駐車場で午後2時に集合。貸し出されたヘルメットやライト、熊よけの鈴を装着し、約20分森を歩いて入り口に到着した。

 ボランティアガイドを務める山下文憲さん(74)によると、1887年(明治20年)ごろから石の切り出しが始まった。宮谷石は火山灰が固まった凝灰岩で、熱に強く、やわらかく加工しやすいため、家屋の建築資材や火鉢に利用されたという。しかし、セメントが普及すると需要が激減。戦後に廃坑となった。「きれいに整備しようかとの声もあったが、それでは値打ちが無くなる。切り出しをやめた当時のままの状態で残しています」…

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