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ウクライナ侵攻後の欧州 依存問題に基づく戦略=ビル・エモット 英誌「エコノミスト」元編集長

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=幾島健太郎撮影
=幾島健太郎撮影

 自由な民主主義社会に生きている私たちの多くは、中国やロシアのような権威主義的な勢力に「関与」することが正しいと信じてきた。しかしロシアのウクライナ侵攻は、これを「依存」と言い換えるべきだと教えてくれた。

 「関与」の核心の一部はまさに相互的な依存だ。相互依存を増やし、相手をよく知ることで、両者が良好な関係の維持と紛争の回避への関心を共有するものだと、信じられてきた。

 だが今や、ロシアがウクライナへ侵攻し、中国の台湾への軍事的意図についての懸念が増大する中、敵となりうる供給元や市場に依存する危険性は広く認識されるようになった。各国はリスクを避けようと安全保障やエネルギー、産業の国家戦略を描き直している。

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