「まだ大丈夫」群集心理の危険性 雑踏で事故が起きるメカニズム
毎日新聞
2022/10/30 21:15(最終更新 10/31 15:05)
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ソウルで起きた事故について、専門家はどう見ているのか。
都市防災の専門家で東大大学院の広井悠教授によると、「群衆事故には2種類ある」という。人の流れがある1平方メートルあたり3~5人の空間で、誰かが前に移動しようとしたり、つまずいたりして人々が前方方向に倒れ込むケースと、1平方メートルあたり10~12人の高密度の空間で、圧迫により気絶したり倒れたりした人を基点に、円形や楕円(だえん)形に人が倒れ込む「群衆雪崩」がある。
また、「群衆事故」が発生する要因は三つあるという。一つ目は、ハード面。今回事故が起きた場所は幅が狭く、前の状況が分からないまま人が次々と流れ込んだ可能性がある。二つ目は、警備体制などソフト面。三つ目は、人々がパニック状態に陥るなど心理面の問題だ。広井教授は「ハード面、ソフト面、心理面のどれか、もしくは複数の機能不全が起きると群衆事故は起きやすくなる」と指摘する。
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