「ここで転んだら…」 ソウル雑踏事故直前の現場 腹部圧迫声も出ず
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ソウル市内の繁華街・梨泰院(イテウォン)で29日夜に発生した雑踏事故。150人以上が犠牲となり、その中に日本人女性2人が含まれていたことが30日に判明した。「女性の悲鳴や大きな声が聞こえた」。事故発生の少し前に現場付近を歩いていたソウルに住む50代の日本人男性は、当時の状況をこう話す。
事故の現場は、飲食店などが集まる「世界の食文化通り」と梨泰院駅の出口がある通りを結ぶ道だ。同駅に向けて緩やかな下り坂で、道幅は約3メートル。そばに建つホテルと飲食店に囲まれた裏道だという。男性が現場を通ったのは、事故の約2時間前の午後8時ごろ。人は多いものの、まだ歩ける状態だった。
しかし、その約1時間後、男性が「世界の食文化通り」を現場となる坂道の方へ歩いていたところ、人の流れが止まり、坂道の方から女性の悲鳴や大きな音が聞こえてきたという。前方から「戻れ」という声があがり、戻ろうとしたが、通りを歩いてくる人々と向かい合う形になり、もみくちゃになった。「ここで転んだら死ぬんだろうな」。腹部や肋骨(ろっこつ)が圧迫されて痛みを感じ、話すことができない時間もあったという。
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