「保育園で子ども連れ去り」 タイ当局が暴いた違法ビジネスの行方

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タイ警察などの捜査で逮捕された代理母(左)と虫よけカバーの下で発見された生後30日の赤ちゃん(中央)。本文中で説明した2021年夏のケースとは別の事案=バンコクで2020年2月13日、タイ警察特務904部隊提供
タイ警察などの捜査で逮捕された代理母(左)と虫よけカバーの下で発見された生後30日の赤ちゃん(中央)。本文中で説明した2021年夏のケースとは別の事案=バンコクで2020年2月13日、タイ警察特務904部隊提供

 「保育園から1歳の子どもが連れ去られた」――。2021年夏、新型コロナウイルスの感染拡大が進む中、タイの首都バンコクの警察に1本の通報が入った。当初、1人の子どもの救出に向けて始まった捜査は、意外な展開をたどり、当局が最終的に行き着いたのは、国内で禁じられた外国人依頼による代理母出産ビジネスの実態だった。

 バンコクの「保育園」から連れ去られたのは、タエンタイちゃんという男の子。この園の関係者だという通報者は当初「タエンタイちゃんは面倒を見ていた女性と姿を消した」と説明したが、捜査員が話をよく聞くと、事情は込み入っていた。

 「保育園」は認可された保育施設ではなく、外国人から依頼された違法な代理母出産で生まれた子どもを集めた施設だった。新型コロナ禍がもたらした「国境封鎖」で依頼主が子どもを引き取りに来られないため、タイ人の代理母らが一時的に面倒を見ていた。その中で、自身の腹から生まれた「我が子」に愛着を抱いた1人の代理母が、子を連れて行方をくらましたのだ。

 この代理母が最後に逃げ込んだのは、違法代理母出産ビジネスを展開してきた組織が使っていた小さなアパートの一室。居場所を突き止め踏み込んだ捜査員は、あぜんとした。…

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