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旦過市場火災

旦過市場で2022年4月19日に42店舗を焼く火災が発生、8月10日にも再び大火に。「北九州の台所」のこれからは。

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学生運営の交流拠点「大學堂」、門司で再出発 旦過市場火災で解体

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8月の火災後、大學堂の被災状況を確認する運営メンバー=北九州市小倉北区で2022年8月12日、上入来尚撮影
8月の火災後、大學堂の被災状況を確認する運営メンバー=北九州市小倉北区で2022年8月12日、上入来尚撮影

 北九州市小倉北区の旦過市場で北九州市立大の学生らが運営してきた交流スペース「大學堂」が、門司区の旧商家に移転することになった。市場を襲った8月の火災で建物の一部が焼損し、再開を模索したものの断念。移転先を探していたところ、市の有形文化財に指定されている「岩田家住宅」(門司区東本町2)の持ち主から協力の申し出があった。「新」大學堂は11月3日にお披露目される。

知名度や魅力の向上に一役

 大學堂は市場のメインストリート・アーケード通り沿いの空き店舗を改装して2008年7月にオープンした。市立大の竹川大介教授(人類学)が主宰する自主ゼミの学生らの運営で交流イベントを開催。大學堂が白米だけを提供し、どんぶりに市場で買ったぬか炊きや揚げ物、刺し身などをトッピングしてオリジナル丼を作る「大學丼」は話題を呼び、市場の知名度や魅力度向上に一役買った。

 ところが、4月19日未明に市場一帯で42店舗を焼損する火災が発生。かろうじて被災を免れた大學堂は、火災で全焼した青果店「新保(しんぽ)青果」など2店舗に店先の一角を提供して学生が接客を手伝い、復興を願ってチャリティーイベントも開いた。「新保青果」代表の新保裕慈さん(67)は「学生たちの支えはお金で買えない価値があった」と振り返る。

 だが8月10日夜、2度目の火災が旦過市場を襲い、火の手は大學堂の2階の一部に及んだ。1階部分は影響がほとんどなく、畳を張り替えるなどして学生たちは再開を目指したが、建物の強度不足が判明。学生たちの願いもむなしく、解体を余儀なくされた。

門司の旧商家から協力申し出

 9月30日、急きょ開かれた建物との「お別れの会」には、市立大の学生をはじめ、卒業生や市場関係者らも駆けつけて別れを惜しんだ。市立大3年の岩崎珠緒さん(20)は「大學堂がみんなに愛される存在だったと改めて感じた」とかみしめた。

 移転先を模索する中、…

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