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新型コロナウイルス対策で低所得の子育て世帯を支援する国の特別給付金を巡り、自治体間で支給件数に差がある――。そんな話を耳にし、裏付け取材を始めた。すると、政令指定都市で最大8倍の格差があることが分かった。本来は等しく行き渡るべき支援で、なぜ差が出るのか。理由を探ると、自治体の「取り組みの差」が受給漏れを生んでいる可能性が浮上した。
大阪市なぜ多い? 取材の入り口に
これは、国が2021年度に実施した「子育て世帯生活支援特別給付金」。低所得の子育て世帯に対し、高校生以下の子1人当たり5万円を配る事業だ。実際の支給は各自治体が担い、全国で165万世帯が受け取った。
取材のきっかけは22年5月の大阪市議会だ。子育て問題などを議論する委員会で、給付金の質問が議員から出た。答弁した市こども青少年局の担当課長は支給状況を公表するなかで、一部のデータを持ち出して「いくつかの政令市への聞き取りによると、大阪市は7~26倍多かった」と胸を張った。他市に比べ、しっかりと支給できていると強調したのだ。
対象世帯が決まっているはずなのに支給件数に差があるのはなぜか。課長の答弁に疑問を感じて調べると、制度の仕組…
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