負担苦しむ自治体、誰のため?どう残す? ローカル線の行方/下
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岐路に立つ赤字ローカル線。その受け皿として第三セクターや、自治体が設備などを所有し鉄道会社は運行に専念する「上下分離」といった方式が有力な選択肢とされている。だが、それも万能薬とは言えないのが実情だ。果たして解はあるのか。
県支援は3社に「限界に来ている」
今年夏、福井市の中心部にガラス張りのひときわ目立つ建物が完成した。北陸新幹線のJR福井駅だ。同新幹線は2024年春に金沢から延伸予定だ。
東京―福井間は2時間17分と現在より1時間あまり短縮され、地元では経済効果への期待が広がる。同駅の商業施設などで名産品の「羽二重餅」を販売する和菓子店「村中甘泉(かんせん)堂」の店主、村中洋祐さん(54)は「すでに新幹線が延伸された金沢は大成功した。福井でも間違いなく観光の起爆剤になる」と話す。
地元が待望する新幹線開業だが、並行在来線となるJR北陸線の大聖寺(石川県加賀市)―敦賀(福井県敦賀市)の約84キロの区間はJR西日本の経営から切り離され、第三セクターに移管される。
新たに運行を引き継ぐ三セク「ハピラインふくい」は、県が7割を出資。これで県が経営を支援する鉄道会社は、えちぜん鉄道、福井鉄道に続き3社目となる。県内在来線の総営業キロ数のうち約半分の運行に県が関わることになるが、そこで課題とな…
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