デジタルを問う

欧州からの報告 巨大IT、個人データを収益化 「民主主義の破滅」 EU、本格的法規制へ

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米ハーバード大経営大学院名誉教授のショシャナ・ズボフ氏=提供写真(ⒸMichael D. Wilson).
米ハーバード大経営大学院名誉教授のショシャナ・ズボフ氏=提供写真(ⒸMichael D. Wilson).

 膨大な個人データを収益化する巨大IT企業のビジネスモデルを、自著で「監視資本主義」と名付けたショシャナ・ズボフ米ハーバード大経営大学院名誉教授が、毎日新聞のオンライン取材に応じた。ズボフ氏はインターネット空間を支配するこのビジネスモデルは「民主主義にとって破滅的なもの」で、法律によるルール作りが不可欠だと主張。欧州連合(EU)が進める巨大IT規制を、変革に向けた「新たな局面」をもたらす動きだとして高く評価した。

 現在のネット空間では、人々がパソコンやスマートフォンで情報を検索したり、ネット交流サービス(SNS)などを使ったりするたびに、利用履歴など個々人に関するデータが収集される仕組みになっている。ズボフ氏はグーグルやフェイスブック(FB、現メタ)などの巨大ITがこれらのデータを事実上無断で利用し、人々がどんな行動をとるのか予測して広告主などに販売する、新たな市場を構築したと指摘する。そして、そのビジネ…

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