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2019年10月の焼失から3年。沖縄県民の「心のよりどころ」とされる首里城正殿(那覇市)の復元工事が3日、始まった。琉球文学を専門とする名桜大特任教授の波照間永吉(はてるま・えいきち)さん(72)は復元方針を決定する国の技術検討委員会の委員として「ウチナーンチュ(沖縄の人)が参加できる形での復元を」と呼び掛けてきた。26年に完成する正殿は県産の木材や塗料を使い、同時に職人の育成も図る。波照間さんは「復元がウチナーンチュのアイデンティティー確立に向けた第一歩になってほしい」と願う。
沖縄が米国統治下から日本に復帰した1972年、波照間さんは琉球大学で国文学を学んでいた。当時の学舎があったのは、太平洋戦争末期の沖縄戦で焼失し、消えた首里城の跡地。首里城だけでなく、多くの歴史的建造物や美術工芸品が地上戦で失われ、目にする機会はほとんどなかった。
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